特撮&視覚効果

空飛ぶ箒


空中飛行の演出はシリーズをとおして進化しました。ハリーが初めて箒に乗るシーンでは簡単な装置が使われただけですが、クィディッチ・ワールドカップでは高度な視覚効果を駆使。クィディッチの試合は激しいアクションが連続するため、あらかじめ各選手の動きを絵コンテに描き起こし、本番では箒に乗ったキャストがグリーンスクリーンをバックに数週間がかりで撮影にのぞみました。その後、スクリーンの部分は競技場のCG映像に置き換わりました。


夜の騎士バス


『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』に登場する夜の騎士バスは、魔法使いの緊急の呼び出しに応じてどこにでも姿をあらわします。ジョン・リチャードソン率いる特撮チームは本物の2階建てバスの上下を切り離し、その間に新たな階を設置して3階建てにしました。完成した車体は塗装を施され、シンボルカラーの紫に変わりました。


憂いの篩(ふるい)


ダンブルドアの校長室に置かれた憂いの篩は、ホグワーツの校長が記憶を再現するための道具。初めて登場したシリーズ第4作『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、ダンブルドアがバーティ・クラウチ・ジュニアの裁判を篩に映し出しましたが、シリーズ最終作ではハリーがスネイプ先生の記憶を再現し、スネイプがハリーの母親に思いを寄せていたことを知ります。篩のデザインはシリーズによって変わり、第4作では石の台座に乗っていましたが、第6作『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では宙に浮いています。